こんにちは、ぽけるすです。
私は現役の小学校教師として働く傍ら、延べ、1000人以上の子供と接してきました。
その中で得たノウハウや知識を発信しています。
みなさんは「ストローク」という言葉を知っていますか?
「ストローク」は心理学の用語なのですが、これを知ると、子どもとの接し方が劇的に変わります。
私も「ストローク」という概念を知ってから子どもたちの気持ちをより理解できたり、好かれたりすることが増えたことを実感しています。
私は小学校教師として働きながら、この「ストローク」という考えを活用していますが、ご家庭での育児でも絶対に有効だと思いますので、ぜひこのブログを読んで学んでください。
「ストローク」って何?
ストロークとは
ストロークとは、「他の人に存在を認められるための、心理的・肉体的接触」と言われています。
人間は常にこのストロークを「交換」して生きています。
例えば、
微笑む ⇄ 微笑み返される
いいことをする ⇄ 褒められる
悪いことをする ⇄ 叱られる
他にも、「挨拶」もストロークの交換と言えますね。
人間は「社会的な生き物」と言われています。他人との協力なしでは生きていけません。
だからこそ、生まれながらに「他人とストロークを交換すること」、つまり「他人に承認されること」を意識しているのです。
特に意識していなくても、人間は常にストロークを交換し合いながら生活しています。
ストロークの種類
人間の交換するストロークには大きく分けて2種類あります。
② 負のストローク(否定的ストローク)
ストロークとは、他人との接触のこと
人間は常にストロークを交換し合っている
正のストロークと負のストロークとがある
ちなみに、「無視」はストロークには入りません。「交換」がなく、一方通行だからです。
ストロークの不足があぶない
では、このストロークが、人間にどんな影響を与えるのでしょう。
ストロークは「不足している時」に問題が起こります。
- 他者に働きかけても応答がない
- 人と全く関わらない
という状態が、長く続くとよくないのです。
ストロークが不足すると、何でもいいからストロークを求めます。
本来、人間は「正のストローク」を求めるものです。
しかしストロークが不足した状態になると、
「負のストロークでもいいから欲しい」という状態になってしまいます。
これを、「ストロークの飢餓状態」と言います。
極端におなかが空いた状態では嫌いな物でも食べられるのと同じような状態です。
また、正のストロークより、負のストロークの方が簡単に手に入りやすい傾向にあるため、(ほめられるより、怒られる方が簡単です。)ストロークの飢餓状態になると、負のストロークを求めてしまいます。
この「ストロークの飢餓状態」を実際の場面で考えてみましょう。
ストロークが足りないとどうなるか
- 娘は2歳。歩ける範囲も広がり、余計に手がかかるようになってきた。
- お兄ちゃん(7歳、小1)は幸いしっかり者で、よくお風呂に入れたり、おもちゃの片付けを手伝ってくれる。
- しかし、最近様子が変。学校でもよく叱られているようだし、家でもどこか反抗的な態度をする。これまで自分でできていたことでも甘えてくる。
- 娘に手がかかることもあって、もう少し、お兄さんにはしっかりしてほしいのに…
不足した時はどうしたらいいのか?
- 娘は2歳。歩ける範囲も広がり、余計に手がかかるようになってきた。
⇒ 親がほかの兄弟につきっきりになると、いいことをしても悪いことをしても「見てもらえない」状態になる。この時点で、兄に「ストロークの不足」が起こっている可能性がある。
- お兄ちゃん(7歳、小1)は幸いしっかり者で、よくお風呂に入れたり、おもちゃの片付けを手伝ってくれる。
⇒ 以前はお手伝いの後に、しっかりと「正のストローク」をもらえていたから満たされていた。
- しかし、最近様子が変。学校でもよく叱られているようだし、家でもどこか反抗的な態度をする。これまで自分でできていたことでも甘えてくる。
⇒ 叱られる、甘える、こういった「負のストローク」を求めている。「これまでできていたこともしなくなる」のは典型的。わざと失敗して負のストロークを受け取ろうとしている。
- 娘に手がかかることもあって、もう少し、お兄さんにはしっかりしてほしいのに…
⇒ 当たり前になってしまっている「兄のお手伝い」に改めて「正のストローク」を与える必要がある。「いつもありがとう」「助かっているよ」という声掛けや、抱きしめる、撫でるなどの身体的接触も加えて「正のストローク」で満たしてあげることで行動が改善される。
【まとめ】正のストロークの交換を意識しましょう。
教師として子供と接していると、
「わざと気をひくような悪さをしているな」
「本来できるはずなのに。妙に甘えてくるな」
と感じることがあります。こんな時に「ストロークの不足」を疑います。
そんな時はなるべくほめる、一緒に遊ぶ、(可能であれば)ボディタッチをするなどして、対策をします。悪さや行動を直接叱ってもあまり効果的ではないのです。
「家庭で何かあったかな?」
と思う時も、せめて学校にいる間は「正のストローク」で満たされるよう心掛けています。
ご家庭もいっぱいいっぱいですから。できないことは学校がカバーすればいいのです。
いかがでしたか。
ストロークの考えを知ると、子どもの心が手に取るようにわかると思います。様々な場面に応用可能ですので、ぜひ、明日からの子育てにご活用ください。
コメント