こんにちは、ぽけるすです。
私は現役の小学校教師として働く傍ら、延べ、1000人以上の子供と接してきました。
その中で得たノウハウや知識を発信しています。
授業参観、学期に一度くらいありますよね。
保護者の皆様にとって授業参観は、子どもの学校での様子を実際に見ることのできる、貴重な機会です。
子どもの活躍姿を見るのは本当に嬉しいことですよね。
先生にとっても、子どもの姿を見てもらう、授業を見てもらうのは、どんな言葉で説明するより説得力があります。
参観授業は先生にとっても、自分のしている授業、指導を理解・評価してもらうのにとても貴重な場であるわけです。(まあ、自分がどう評価されるのか知らされるので、緊張する場面でもありますが笑)
そんな貴重な授業参観、どうせ見るのなら
授業や子どもを見るポイントや、子どもへの声かけの注意点を勉強しておくもの良いのではないでしょうか。
ポイント①先生の視点と保護者の視点の違いを理解する
先生から見ると、どの子も40分の1
早速ですが、小学校教師をしていて、参観授業を見ている保護者の方からよく言われる言葉を紹介します。
なんでうちの子、手を挙げないんでしょうか?
うちの子の授業態度が気になる…
あんな態度で勉強についていけていますか?
保護者の皆様は優しいですね。「授業への文句」「教員への文句」はほとんど聞きません。どちらかというと、自分の子どもへの不安・不満を聞くことが多いです。
これは、なぜでしょうか。本来であれば子どもの様子はもちろん、教師の指導や授業を見ておくのも大切ですよね。ですが見えていない人が多いのです。
保護者の方の「見ている視点」が関係してきます。
簡単に言うと、保護者は「我が子しか見ていない」のです。
教師は「クラス全ての子ども」を見ています。
このそれぞれの「視点の違い」を頭に入れてこれからの記事を読んでいただきたいです。
わが子だけを見ていると、欠点しか見えてこない
我が子しか見ていないとどうなるのでしょうか。
「子どもの欠点」があれよあれよと見えてきます。
それもそのはず。小学生の頃や自分の現在を思い出してみてください。
あなたは「授業時間45分間、ずっと集中できる子どもでしたか?」
あなたは「会社の会議で45分間のうち全てに集中力を保てますか?」
人間は、大人であっても、長時間集中することがそもそも難しいのです。
子どもはさらに集中するのが難しいのは明らかです。
集中しているように見えたらそれは間違いです。大人しくしているだけで大抵は頭の中はボーッとしています。
ですから、一人の子ども(我が子)に注目すると、「集中していない」「手遊びしている」「話聞いていない」というところに目がいってしまうのです。
ポイント②親はどうしてもわが子にしか目が行かない!
わが子だけを見ていると”欠点”が見えてくる
先ほども書いた通り、授業参観で我が子だけを集中してみていると、「欠点ばかり」が見えてきます。
当然、45分間ずっと集中なんかできないのに見続けられているとそれはボロもでますよね。
- 手遊びしている
- 違う方を向いている
- 手を挙げない
この辺が1番多く聞かれます。
では、どうすれば欠点以外に気がつけるのでしょうか。
先生の見えていないことも見えてくる
実は先生は45分間子どもが完璧に集中できることを計算していません。
普通は子どもの集中は持たないものとして授業を組み立てています。
優秀な先生ほど、授業の途中でちょっとした話し合いや、全員で参加する音読など、簡単なアクティビティを導入します。子どもを授業に引き戻したり、全員の理解を揃えたりしているのです。
このように、「できない前提」で子どもを見ているのが教師
「できる前提」で見ているのが保護者と言うことができるでしょう。
わが子一点に集中はやめよう
我が子に一点集中してみていると欠点ばかりが見えてきます。
これはもうやめましょう。
もちろん我が子の様子が気になるとは思いますが、まだまだ子どもです。お父さんお母さんが来ていて緊張しているとはいえ中々集中力は持ちません。とにかく一生懸命やろうとしている姿をどうか見とってあげてください。
友だちや先生との”かかわり”に着目
では、どこに注目してみていればいいのか。
それは先生は他のお友達など「他者との関わり」です。
- 「お隣の人とお話しする時どうしているかな」
- 「挙手を促された時どうしているかな」
- 「先生が机のそばに来たときどんな反応しているかな」
- 「集中が切れた時、周りにどうやって出しているかな」
お家では見ることのできない他者との関わり方を見るといいでしょう。
すると、
- (今の)先生との関係
- 周りのお友達との関係
- クラスでのポジション
など、お家では絶対に知ることのできないお子様の一面を見ることができます。
それはきっと子育てなどで役に立つ情報になると思いますよ。
ポイント③参観授業後、子どもにどう声をかける?
絶対に叱らない
参観後に子どもに伝えるといいことをお勧めします。
まず一つ目は「絶対に叱らない」ことです。
どんな様子が見られたとしても叱ってはいきません。
「もうちょっとこうしたら…」みたいな「小言」もだめです。
これをしてしまうと、子どもは「学校の様子を話すのはやめよう」と思ってしまうきっかけになります。
授業参観は、「子どもがして欲しくてしている」わけではありません。「我が子の姿を見たい」という保護者と「学校の様子を知ってもらいたい」という先生という大人の都合で成り立っています。
子どもにとってすれば「いい迷惑」な訳です。
それをさらに叱られでもしたら、授業参観がますます嫌なイベントになりますし、学校の様子を話したり見られたりすると「叱られる」「小言を言われる」と思って今後話してくれなくなってしまいます。
褒めることはあっても、参観後に叱ることだけは絶対にしてはいけません。
頑張りを伝える
では、何を伝えればいいのか。
ここは、「頑張り」を伝えるようにしましょう。
「できた」という客観的事実でもありません。「頑張っていたように見えた」という、親から見た「主観的事実」を伝えるようにしましょう。
簡単に言えば
- 手を挙げていた
- 集中して話を聞いていた
- ノートをよく書いていた
- 大きい声で発表した
この辺りは「客観的事実」です。これを褒めることもいいのですが、意識して親の主観を伝えることも大事です。
客観的事実は。子ども視点で否定できてしまいます。
- いや別にそんな頑張ってないし
- もっと大きい声出せるのに
- 普段はもっと手を上げれるのに
みたいな感じです。では、否定できないメッセージとはどんなものか。例えば、
- あんなに手が上げられるなんて(私は)すごいと思ったよ
- (私まで)声が届いていたよ
など。「私」を主語にしたメッセージがいいでしょう。こうすることでこどもがそのメッセージを否定できなくなります。内心「もっとできる」と思っていても、親が見て「良いと思った」ことは否定できません。
このメッセージのいいところは「できていなくても褒められる」と言うところにもあります。
「もっと大きい声で発表して欲しかったな」と思ったことでも、「(私は)大きな声でできたと思うよ」といってあげられると、子どもにとってはとても大きな力強い励ましになりますよ。
友だちや先生の批判はしない
反対に、絶対に言ってはいけないこともあります。
それは、友人や先生の悪口です。
授業を見て、
「この先生だめだな」とか
「あの子うるさいわね」とか
思うこともきっとあるかと思います。
この辺りの文句は直接担任に伝えるか、ママ友の中で共有する、担任より上の管理職に伝える程度にしておきましょう。
絶対にしてはいけないのは「我が子に伝える」ことです。
どんなに親から見て嫌な担任でも、子どもにとっては1人しかいない担任の先生です。親からそんなことを言われたら何を信じたらいいかわからなくなってしまします。
もちろん、教師側に問題行動があればそれはいけません。すぐに伝えたほうがいいです。でもそれは子どもを通じてではなく、大人同士で解決する問題でしょう。子どもを巻き込んではいけません。
また、「お友達の悪口」も絶対にいけません。
授業で見せている姿は子どもの「ほんの一部分」に過ぎません。そこだけを切り取って悪口を言うのはかなり危険な行為です。
仲がいい(よくなくても)お友達の悪口を聞くのは子どもにとってもいい気持ちはしませんし、同じ行動を学校でもするようになります。
どちらにしろいい方向に進むことは「ない」と断言できます。
まとめ
- 先生と保護者は子どもとの関わり方が全く違うことを理解しよう。(先生は1対多、親は1対1)
- 我が子だけに45分間集中すると「欠点ばかり」見えてしまうもの
- 家では見られない「家族以外の他者との関わり」を見られるチャンス。
- 授業参観後は絶対に「小言」を言わない、「文句」を言わない。どうしても言いたい時は大人同士で。子供を巻き込まない
ポイントをまとめました。
授業参観は子どもの新たな一面を知るいい機会になると思います。せっっかくですから、ポジティブなメッセージを子どもに伝えられるといいですね。
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