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ぽけるす

現役小学校教員
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【必要?必要ない?】「早期教育」は必要なのか?

勉強
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こんにちは、ぽけるすです。
私は現役の小学校教師として働く傍ら、延べ、1000人以上の子供と接してきました。
その中で得たノウハウや知識を発信しています。

「早期教育」という言葉、

子育て・教育に関心ある保護者の皆様なら耳にしたことがあるのではないでしょうか。

私も、教育について専門的に学ぶこと6年(大学・大学院)現場で働くこと5年の中で、早期教育について様々な論文・言説に触れてきました。

その中で子育てをしている人、これからしようと考えている人に知ってもらえたら役立つのではないかという情報を書いていきます。

この記事を読んで、「本当に必要な早期教育とは何か」について考えていければと思います。

結論 早期教育はいらない

※注 私なりの結論です。

始めに結論として、私は、「早期教育」は必要ないと思っています。

そもそも早期教育は

早期教育は、が柔軟なうちに子供の知的好奇心を促進し、高い吸収能力や順応能力を持つ幼い間に教育を開始することで脳の活性化を高めれば、「優秀な」人間に育つという理念に基づいている。

(Wikipedia「早期教育」2021.6.16)

とされています。

早期教育は、広義に言うと「乳幼児期から就学前における教育」と捉えることができますが、一般的には「才能を伸ばす目的で行われる乳幼児期のエリート教育」といった意味でとらえられていることが多いように思います。”英才教育”に近い意味で使われていますね。

一時期、逆立ち、絶対音感を身につけられる!とか、漢字が書けるようになる!みたいな幼稚園・幼児教室(ヨコ●ネ式とか七●式)がTVで話題になっていたりしましたね。

私は早期教育については「必要ない」と思っていますが、これらの幼稚園や塾についてはとても面白く、素晴らしい教育をしているなと思っていますので悪しからず。

では、前置きが長くなりましたが、わたしが「早期教育」はいらないと思っている、理由として3つを書いていきます。

おすすめしない理由① メリットが少ない(ように思われる)

「早期教育」、メリットがない訳ではないです。ですが、あまり大きくないと思っています。

例えば、よくある早期教育に「英語教育」や「音楽教育」があります。これは、「言語発達臨界期説」が元にされています。

子どもがネイティブと同じように外国語(日本では英語が主)や音階を聞き取れるようになるには、3、4から14歳までに(が諸説あり。論文によって差が大きい)その言語に触れていないといけない。

「いわゆる”L”と”R”を聞き分ける『英語耳』を幼児期に育てないと取り返しがつかなくなる」

「絶対音感は幼児期から楽器に触れていないと習得できない」

というのが「言語発達臨界期説」です。

ここで一つ考えてもらいたいのが、「本当にネイティブ並の能力や絶対音感が必要か?」と言うことです。

確かに「臨界期説」は複数の論文で語られているため確かそうです。英語など、外国語を使いこなせるようになることは、子どもの将来においてとても役立つスキルになりうることも理解できます。音楽の世界では「絶対音感」が役立つのも理解できます。

しかし、ここで立ち止まって考えたいのが、

「それが本当に必要なのか?」ということです。

例えば英語では、「ESL」という概念があります。これは「English as a Second Language」の略。つまり、「第二外国語としての英語」と言う意味です。

ビジネスや数年の留学、日常生活程度であれば、ネイティブ並みの語学力は必要ない。と考えてみてはいかがでしょう。

確かに考えてみれば、私の周りにも大学から留学して英語を身につけ、日常的に英語を使う外国企業に就職した友人や、翻訳業をしている友人がいます。英語を使って活躍することと「英語耳」を手に入れることはイコールではないのです。

ビジネスや留学などで可能性を広げたいという理由ならば、必ずしも「英語耳」のような非常に高い(高すぎる)スキルは必要ないのです。ぶっちゃけLとRなんか聞き分けられなくても文脈から意味なんかわかりますし。

「絶対音感」も同じことが言えますね。音楽家になるには「絶対音感」は必要なのでしょうか。

目的(将来を安定させるスキルを身につけてほしい)と手段(英語耳・絶対音感)を履き違えないようにしたいものです。英語耳にすることや、「絶対音感」を身につけさせることが目的になると、子どもが辛い思いをしてまで、「身につくまで」イヤイヤやらされることになりますので注意が必要です。

おすすめしない理由② デメリットが大きい

メリットがあまりないことを先に書きましたが、デメリットの多さも問題です。

「お金」

そもそも、早期教育が”ビジネス”の対象となっています。教育はすぐに結果が現れない(教育による効果が本当の意味でわかるのは大人になって成功したかどうか)ため、両親は不安になりがちです。

そんな“不安”がある場所にビジネスは産まれます。

「結果はすぐ出ないけれど子供の将来が不安だからやっておこう」

となるわけです。

3歳から18歳までの15年間、学校など必要なものは除いて、”追加”でひと月平均2万円の教育費をかけていたとすると

2×12(ヶ月)×15(年) =360万円

これを教育費の代わりに資産運用で年間5%の運用益を出していたとすると、400万円近くになります。

私立小学校や中学校に通わせるとさらにアップです。

お金が全てではありませんし、この程度のお金、どうとでもなるような裕福な方々が早期教育に躍起になっているとは思いますが、18歳の時点で子どものために400万円の貯金があると、留学、進学など、進路選択にも幅が生まれるのではないでしょうか。

成功例が華々しく、失敗に目が向かない

子どもにとって、頭脳や能力の成長と同等に、むしろそれよりも大切なのが、健全な心身の成長です。

早期教育の成功例は挙げるとキリがありません。

特にスポーツ界では、イチロー選手、室伏選手など。アイススケートの選手なんかは、スケートにお金がかかることも相まって、習い事にお金をかけてきた逸話などがよく語られます。(特に五輪前など顕著ですね)

もちろん、これらの成功例は幼児期から学童期にかけての早期教育の賜物だと思いますし、五輪など世界で活躍するようなスポーツ選手やアーティストはやはり早期に”英才教育”を受けることは重要だなと感じるわけですが…

引き換えに多くのものを捨てているわけです。

「お金」、「時間」、「労力」

これらの全てがかかっているわけです。

早期英才教育を施されたとしても、将来プロとして活躍したり、五輪などに出るトップ選手になれるのはほんの一握りです。

結果五輪などに出れた人にとっては、幼少期のきつい練習も「美談」として語られますが、結果が出ずに諦めた人にとっては「虐待」となっても言い訳できないレベルです。花開かなかった幼少期の練習や習い事の全てが、教育に悪いとは思いませんが。

華々しい早期教育の結果には、「見えない負の部分」もたくさんあるのです。

おすすめしない理由③ 「能力主義」は自己肯定感が育たない。

過度な早期教育は「能力主義」的になりがちです。

能力主義とは、とてもざっくりと言うと「〇〇ができるからすごい」「〇〇ができないからダメ」という考えです。

基本的に早期教育は「何らかのスキル」の獲得が目指されることが多いはずです。スポーツなら尚更、勉強などでも、「有名私立小合格」や「模試全国◯位」など、高い目標でなくても、お金をかけている以上はある程度は結果を出してもらいたくなりますね。

結果がわかりやすいと子どもはとてもよく頑張ります。基本的に子どもは「競うこと」や「上手になること」が好きですから。

そして実際に結果が出せると、「自分はすごい」という「自己肯定感」が生まれるでしょう。

ですが、先述した通り、勝ち残れるのはごく少数になります。ほとんどの子どもは負けます。

果たして全ての子どもが「負けたこと」から自分のことを肯定的に捉えらられるようになるのでしょうか。もちろんできる人もいると思いますが、時間は必要でしょう。

勝っても負けても、能力の有無も関係なく自分を認められる能力が「自己肯定感」です。

果たして競争主義の果てに自己肯定感は育まれるのでしょうか…

世の中が、発展を前提とした「資本主義社会」から、SDG’SやESDといった、既存のものを活かす、”エコ”や”持続可能性”を重視する社会に変革しているように、

能力の発展と幸福度は必ずしもセットになっていないことを私たちは理解しなければいけません、

なぜ早期教育は流行する?

ここまで読んでいただいてわかるように、私は早期教育についてあまり前向きではありません。

ですが、早期教育をしたくなる?理由についても十分ではありませんが理解しているつもりです。

先ほどからも少しづつ出していましたが、ここで、「早期教育」が流行する理由について考えたいと思います。

少子化・晩婚化⇒投資の集中

日本は絶賛晩婚化・少子化が進んでいます。単純に晩婚化が進むと、出産が高齢化します。出産が高齢化すると、きょうだいの数が減ります。

きょうだいの数が減る(ひと家族辺りの子どもの数が減ると言いかえてもいいですね)とどうなるか、一人にかけることのできる「教育費」が増えます。

当たり前ですが、子どもが少なければ少ないほど、家計に余裕が出るわけです。

それが教育費に回り、早期教育が流行するきっかけとなっています。

不安につけこむビジネスチャンス

先程も書いた通り、教育の結果は、究極には「大人になった時幸せかどうか」でしか測れません。

教育の成果が目に見える形になるのには時間がかかるのです。

結果が出るかわからないけれどとりあえずやらないよりは…

と、子どもの将来を案じるのが親心です。

ここにビジネスチャンスがあるわけです。塾や教育機関は不安をあおります。習い事程度ならまだしも、ウン十万円もの投資をするのには慎重になった方がよさそうです。

目立つ成功例

「早期教育の成功例」ってたくさんあるのです。

もちろん、お金を出してほしい塾や教材屋さんはそれを引き合いに出します。スポーツや学業で優秀な成績を収めている、いわゆる”成功例”のお子さんをみると羨ましくなってしまいますよね。

ですが、その裏にはいくつもの”失敗例”があるわけです。失敗例というと失礼ですが、必ずしも早期教育をしなければ幸せになれないということはありません。早期教育はいくつもある「教育の手段」の一つに過ぎません。

そのために、お金、時間、何もかも犠牲にする必要はあるのでしょうか。

立ち止まって一考する必要があると思っています。

【結論】本当に必要な早期教育は?

早期教育によって得られるものは、「スキル」でしかありません。

「英語が話せれば必ず幸せになれるのでしょうか」

「勉強ができれば必ず幸せになれるのでしょう」

「絶対音感があれば必ず幸せになれるのでしょうか」

「スポーツの全国大会で優勝すれば必ず幸せになれるのでしょうか」

スキルがある=幸せ

では必ずしもありません。

では幼少期に身につけなければいけないスキルとはいったい何なのでしょうか。

それは、「非認知的能力」と言われる力です。

詳しくは下の記事を参考に

非認知的能力は、「コミュニケーションをとる」「最後までやり抜く」「思いやりを持つ」「あきらめない」など、テストやコンクールでは測れない能力のことを指します。かんたんに言うと、「社会生活を円滑にする力」とでも言いましょうか。

英語の早期教育を受けて「英語ペラペラ」になっても、対人コミュニケーションが下手では十分にスキルを発揮できません。

どんなに学力が高くても、仕事で人間関係がうまくいかず悩むなんてことはよくあります。

結局のところ人間は人間同士でかかわりあいながら生きていく以上、「高い能力」がありさえすれば幸せになるとは言えないのです。

【まとめ】

  • 早期教育はメリットが少ない
  • デメリットも大きい(お金・時間を取られる、子どもの健全な発達を阻害するかも?)
  • 成功例だけを見るとついつい不安に…
  • 本当に必要な力はテストやコンクールでは測れない。

早期教育はメリットが少なく、デメリットが大きすぎるのでお勧めしない。

もちろん、子どもに早期教育を施すことに全面的に反対なわけではありません。

イチロー選手や室伏選手、スケートの浅田選手、などは幼いころからスポーツの英才教育を受けていたそうです。将棋の藤井棋士もそうです。

幼いころからの英才教育・早期教育によって才能が花開き、世界でも活躍していることは紛れもない事実です。

ですが、彼らはほんの一握りの限られた才能の持ち主だったことも忘れてはなりません。

・その教育は親のエゴではないですか?

・社会で生きていくうえで必要なスキルがないがしろにされていませんか?

 

いつも心に問いかけたいものです。

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